『カラー版 史実としての三国志』(渡邉義浩監修・袴田郁一執筆、宝島社新書)
三国志ブームである。東京国立博物館で三国志展が開かれている。面白そうだ。東京の人がうらやましい。こっちは出かけるだけで数万円、見たいのはやまやまだが・・・。
さてそうした寂しさを紛らわすべく、手に取った一冊がこれである。三国志は面白いが、厄介なのは人名が段々混乱してくるのと、地名がいまひとつピンとこない点だ。だがこの本はカラーの図版が豊富にあり、頭の整理がしやすい。
それでいて内容的には最新の研究成果も踏まえている。例の曹操の墓の問題もきっちり論じてある。三国志演義は面白いけど、史実はどうなの?という疑問にも答えてくれる、コンパクトな入門書だ。
これを読むとさらに深く知りたくなるが、それについては『人事の三国志』がおススメ。これについては次回に触れる。